スーフィズムSufism)とは、イスラム教の神秘主義哲学である。この呼び名は担い手であるスーフィーにイズムをつけたもの。
9世紀から10世紀頃、官僚化したウラマーたちの手によってイスラーム諸学が厳密に体系化され始めた頃、イスラームが日常生活から遊離したことの反発から成立した。形式化したシャリーアを批判し、内面性を重視したスーフィー達は、しばしばウラマーたちの批判の的になった。しかしイスラーム哲学の大家でスーフィーであったガザーリーらの影響により、スーフィズムはイスラム世界において定位置を得るようになる。スーフィズムはその後イスラームの大きな潮流となり、特にインド・東南アジアのイスラム化において大きな役割を果たした。
スーフィズムでは禁欲的で厳しい修行を行い、また白い布状の服を身につけて一心不乱に回る、回旋舞踊と呼ばれるものを行い、神との一体化を求めた。スーフィーは導師の指導の下、決められた修行(マカーマート)を段階的にこなし、準備を進める。最終段階では、雑念を捨て去り一心に神の事をのみ考え、神と合一したという悟りが訪れるのを待つ。この境地に至ったものは、時として聖者に認められ崇拝の対象となった。この境地をファナー(融合)、バカー(持続)と言う。
今でもジャラール・ウッディーン・ルーミーが創始したメヴレヴィー教団などがこのスーフィズムを信仰している。しかしトルコ政府はメウレヴィー教団の活動を禁止している。開祖の教えにもどれと主張するイスラーム原理主義のいきおいで、異端的な要素(ギリシャ哲学やヒンドゥー教等)の有るスーフィズムは影を潜めている地域もある。一方で、近代市民社会を作り上げるための寛容なイスラーム・リベラルなイスラームの思想の源流として注目されても居る。
神秘階梯 [編集]
懺悔または回心
律法遵守
隠遁
清貧と禁欲
心との戦い
神への絶対的信頼(タワックル)
融合(ファナー)
持続(バカー)
→聖者
ラレ・バフティヤル/竹下政孝訳 「スーフィー イスラムの神秘階梯」
<イメージの博物誌16> 平凡社 1982年
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